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逆子にお灸!その効果を論文から検証

先日、患者さんから「逆子が治りました!」と報告を受けました。逆子のお灸というのは有名ですが、まだまだ知らない方も多いのが現状です。そこで今回は逆子に対するお灸の効果を紹介したいと思います。

逆子にお灸って効くの?と思う方は多いかもしれません

古来より妊娠中のお灸は行われており、安産のお灸、難産のお灸、逆子の灸などが伝えられています。

最近では、シンガーソングライターの植村花菜さんがお灸で帝王切開を免れたということがニュースにもなりました。

植村花菜 お灸で帝王切開免れる/芸能/デイリースポーツ online
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2015/01/03/0007629941.shtml

また様々な論文でも逆子に対してお灸は効果があるという報告がされています。

論文から見るお灸の有効性

1998年のCardini氏による論文(Moxibustion for Correction of Breech Presentation http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=188144 )では、通常妊娠かつ骨盤位と診断された妊娠33週目の初妊婦260人を対象に、お灸をするグループ130人、お灸をしないグループ130人としてお灸の有効性を評価しました。

骨盤位矯正率

結果、35週目の検査での矯正率はお灸をしなかったグループが47.7%(62/130例)だったのに対し、お灸をしたグループは75.4%(98/130例)でした。

また分娩時では、外回転術で矯正された症例を除くと、お灸をしなかったグループが58.5%(62/106例)だったのに対し、お灸を行ったグループは76.0%(98/129例)の矯正率となりました。
1時間における胎動回数においても、お灸しなかったグループが35.35回だったのに対し、お灸を行ったグループは48.45回と1.37倍の胎動回数になりました。

その他の論文も比較してみると骨盤位に対するお灸の矯正率はおおむね60%~90%になります。

なぜお灸で逆子(骨盤位)が治るのか

そもそも逆子になる原因が不明であることが多いので、治る理由も推測にすぎないのですが、前述したように、お灸をすることで胎動が多くなります。また、治療をした際に多くの患者さんが「身体が温まる」とおっしゃいます。
母体の血行改善、緊張緩和、胎動増加といったことが胎児の自己回転を促し逆子が矯正されたのではないかと考えられます。

当院での治療法

逆子の状態だけでなく、その他の症状(冷え、食欲、むくみ等)から判断し、主に足のツボ(至陰、三陰交等)を使用して施術を行います。
また、自宅でも行えるお灸の方法を教えますので自宅でもお灸をしていただきます。
治療回数はだいたい1回~4回程度で治ることが多いです。
治療時期は早いほうが矯正率が高いので妊娠28週頃から開始するのが適していると思われます。

新しい命が生まれる妊娠、出産は素晴らしいことですが、それだけではなく不安感を抱いている方も多くいます。そんな方にお灸をしていただきリラックスして安心して出産ができるようお手伝いをしていければと考えています。

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